承認欲求と期待欲求

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先日、少しイラッとすることがありました。

その原因は取るに足らないものですが、怒りゲージを上げる前にふと冷静になって考えてみることに。

今回はそんなお話をご紹介していきます。

イライラする原因は自分にある?

なぜ他人に対してイライラしてしまうのか?

誰かに対してイライラするのは、自分が思い描く光景とギャップがあるからではないでしょうか。

ただそこで一度冷静になって考えてみてください。

相手はあなたのそのような期待の度合いはわかるはずもなく、そもそも知らないことがほとんど。

つまりはイライラする原因の本質は自分の中にあるもの。

筆者はそこから、自分自身が誰かに認めてもらいたいという承認欲求になぞらえて、誰かに何かを期待することを期待欲求と名付けて考えてみることにしました。

承認欲求

まずはベースとなる承認欲求について。こちらはもはや一般的な言葉として広く使われていますので、今さら感が強いですが念の為調べてみました。

承認欲求(しょうにんよっきゅう)とは、「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という欲求であり、「尊敬・自尊の欲求」とも呼ばれる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

具体的にはいろいろな承認のバリエーションがあるようですが、心理学者ではないのでここでは割愛します。

程度の差はあれど誰もが持つ欲求のひとつという意味では、これ自体は悪いものでは無いですが、この欲求が強すぎると、際立ったり、他者から反感を買ったり、もっと認められたいという願いから行動がエスカレートする人がいるのは周知の事実です。

当たり前の話ですが、承認欲求とうまく付き合うことが寛容です。(本題は次の章なので、ここではあえて深い考察は省略します)

ちなみに甘くて美味しいスイーツを食べると欲求が少し緩和します。

期待欲求

承認欲求の対義語? で、ふと頭に浮かんだ言葉が期待欲求

調べてみましたが、こういった言葉は無いようです。似たようの言葉で「期待理論」というのがありますが、これは意図したものとは違うので却下します。

ここからはあくまでも個人的な意見なので、参考程度にお読みください。

定義

期待欲求という言葉を仮に定義するなら

他者に期待し相応の結果を求める欲求で、そこに他者の意思・意図は組み込まれないもの

となるでしょうか。

あくまでも期待するのは自分の勝手で、他者はそれを知っていても知らなくても、勝手に判断される。またその期待のレベル、仮に期待値と定義するなら、その結果の判断は期待した側にしかわからないもの。

客観的に見れば、何とも理不尽なお話です。

期待と期待値

そもそも期待とはなんぞや? ということで調べてみます。

期待(きたい、英:expectation)とは、何らかのことが実現するだろう、と望みつつ待つこと。また、当てにして待つこと。期待する気持ちのことは「期待感」と言う。期待どおりにならないことを「期待外れ」と言う。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

つまり、何らかのことが実現するであろうと「あてにして待つ」気持ちが強いという点が鍵ではないでしょうか。

そのため、期待が実現されない場合、多かれ少なかれ落胆するといった性質が含まれるものと考えられます。

例を上げてみていきましょう。

例1)
手が離せない仕事をしている最中に会社の電話が鳴ったが、暇そうにしている同僚たちは誰一人電話に出てくれなかった。

これは、自分は手が離せない仕事をしているのだから、お願いしなくても誰かが代わりにやってくれるだという期待そのものが、満たされなかった場合。

例2)
夕食後、Aさんは食器を下げて欲しいと期待する。パートナーや子供は食器を下げてくれた。でも台所に行くと、油まみれのフライパンの中に食器が置かれていたのでAさんはイラッとする。

この場合、Aさんとしての期待値は「食器を下げる」だけでなく「食器を洗う際の手間」までを無意識に期待していたため、手間が増える結果になったことに不満を感じた、ということになります。

この期待欲求は、他にも

  • エレベータに乗ろうとしているのに誰も扉の開ボタンを押してくれなかった
  • 使い終わったトイレットペーパーの芯を片付けずにそのまま放置される
  • 家事や育児を手伝ってくれない

など、日常的にどこにでも存在していると考えられます。

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また世の中で厳しい発言をしている人の中には、相手が自分の期待とは異なる行動をしていると思いこんで、イライラしてつい攻撃的になっているのかもしれません。

仕事であれば、まだ期待する・されるが明確で、且つ期待値もわかりやすく「期待値=目標値」という言葉に置き換えることができます。

ですが一般的な日常ではその判断は難しく、期待値とのギャップを埋める流れで「言葉で説明して」と言う・言われるのがオチではないでしょうか。

ギャップ

この期待欲求の最大の問題は期待値のギャップでしょう。

なぜなら自分が望む期待値は相手にほぼ伝わりませんし、そもそも期待していること自体伝わっていない可能性が高いです。

相手は期待されていることに気が付いていないのですから応えようもありません。これが一般的にいう価値観の違いの原因のひとつなのかもしれません。

また、無意識に価値観に当てはめて、相手に何かを期待してしまうことが日常的によくあります。

「それくらい当たり前だよ」や「それって常識では?」という気持ちで相手に期待している方も多いのではないでしょうか?

ただこれは、誰にとっての当たり前で、常識なのでしょうか?

生きてきた環境や生活が違えば考え方も意識も同じではありません。「当たり前」も「常識」もその人が持つ知識に過ぎないのかもしれません。

イライラとうまく付き合うために

期待欲求期待値とのギャップから、ついイライラしてしまうのを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

一番の解決策は相手に期待しないこと。

その次に期待値を限りなく下げることでしょう。

期待どおり相手が動いてくれるというのは奇跡に近いかもしれません。

そういう意味では期待値を下げて、むしろ期待しないレベルでいれば、結果として期待どおりまたは期待以上になる可能性が高まります。

また期待欲求は、承認欲求と同じで、クリアすればするほどさらに上を望む傾向にあるといえます。

最初は「ご飯を食べたら食器を下げてくれるだけもありがたい」と思っていたのが、次第に「食器を下げたついでに水に浸けておいて」「食器を下げたなら洗っておいて」などと欲求(要求)がエスカレートしていく可能性が高いです。

やはり欲求は次なる刺激を求めるものなのかもしれません。

ですので、常に期待値を高く持たずに感謝の気持ちで相手に接すれば、イライラやストレスも少しは軽減できるでしょう。

相手は自分とは違う生き物で、考え方も違うのですから。

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まとめ

期待欲求という言葉はありませんし、これを読んだみなさんがどういうメッセージと受け取るかはそれこそ多種多様で、決してこの言葉を広めたいというわけではありません。

ただ、この期待欲求の仕組みがある程度わかれば、少なくとも「人と接する際に過度な期待をもち、意図せず相手に裏切られた!」というネガティブな考えから離れることができるでしょう。

また、そもそも「相手に期待そのものが伝わってない」という事実を客観的に見ることができ、その結果としてストレスフリーを手に入れることができるかもしれません。

まわりに過度な期待はせず、たとえ期待値のギャップで残念に思うことがあっても、イライラせずに「そんなこともあるよね」と軽く受け流せるような寛大な気持ちを持ちたいものです。

それこそシンプル思考のあり方のひとつといえるでしょう。

この記事がみなさんが穏やかな気持ちになれる一助になれば幸いです。

ルルル
ルルル

「期待なんかしてないんだからね?!」というツンデレさんの言葉はハードルが相当高そうです


自然に生きる、あるがままを受け入れる、という意味ではムーミンに出てくるスナフキンの言葉は心に響きます。


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